君が落とした青空



「おはよ!」

のろのろと電車から降りる私に佐喜子から呼びかけられて振り向いた。

朝から綺麗にセットされた髪型の佐喜子の隣にいるとなんだか私のぼさぼさの髪が目立つ見たいに思える。

ちゃんと一応セットはしてるのに――

化粧をちゃんとしている佐喜子に比べたらノーメイクの私は子供みたいだな。化粧してないのは朝にそんな時間がないだけだけど。


「なに?朝から不機嫌ね」

「いつもだよ」

朝は決まってこんなテンションだ。雨ならなおさら。


改札を出て雨の中傘を差すと、周りの人も一気に傘を広げ始める。この様子を上から見るのは色とりどりで面白いんだけどなあ。


あの夢のせいで、雨がなおさら今日はイライラする。


「今日テストがあるから不機嫌なんだと思った」

「…え?」

ふと、足が止まる。
テスト…って…

「小テスト?」

「そうそう、勉強してないんでしょ?」

勉強してないどころか、今思い出した、の方が正しいけど――…それよりも。




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