君が落とした青空
夢でも確か――こんなことなかったっけ?
そういえば、夢でも佐喜子とこんな会話をしたっけ?
でも、佐喜子と会うのはいつものことで特別な事でもない。テストがあることだって、大したことじゃない。
先週だってテストくらいあっただろう。
良く覚えてないけど。
いつものことだから、そんな些細なことを覚えてるはずもないじゃない。
どくどくと、頭で冷静に考えようとしても動悸は大きく体を揺らす。
「テストって…なんだっけ?数学?英語?」
それすら覚えてない。
夢だから?
「英語よ。なに?それすら忘れてたの?」
呆れたような表情の佐喜子に、私は曖昧な笑顔を返した。
夢で見たのは――英語だったっけ?言われてみればそんな気もする。
いや、でも小テストは良くあるから数学だと言われたらそんな気もするし、聞いてもやっぱりわからない。