君が落とした青空
教室に着くと、とりあえず鞄を置いて修弥のクラスを覗きに向かった。
修弥のクラスは、私のクラスのある階の下になるから、滅多に行く事はない。
別にクラスが違うからと言って何ら問題はないし、友達だって他のクラスにいるのに――
私は修弥のクラスには殆ど顔を出していないんだな、と今更ながら感じる程に修弥のクラスには違和感を抱いた。
高校になって半年以上経ったって言うのに、数えるくらいしか来てないのか…もともと用事も特にないし。
こそっと中の人に見つからないように教室内を覗いた。
半分以上は知らない人だけど、何となく顔を知っている人はいる。
修弥とよく、一緒にいる気がする。
多分挨拶くらいはしたこともあるだろうけれど、ぼんやりで名前なんかこれっぽっちも思い出せない。
一応見渡す限り――修弥はまだ、来てないみたいだ。
「なにしてんの、実結」
「…わ!」
突然の声に口から心臓が飛び出るかと思う程跳ね上がり、大きな声とがたがたと反動でドアにぶつかった音で教室内からの視線が一斉に集まる。