君が落とした青空
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テストは相変わらずの結果だった。
別に毎回毎回何が出たか覚える事もないし、見直しする余裕だってないし、復習する程時間があるわけでもないし。
「ここ、出たよ」
昨日と同じように佐喜子が開けたページの問題だけは
「そこは分かった」
さすがに、昨日思い出したから。
それ以外は何も分からなかったけど。
「へーここが一番難しかったのに!」
「そうだっけ?」
佐喜子の話を聞きながらも思考は何も働かない。
返事はするけれど、考えたいのに何も受け付けられない、そんな感じだ。
「実結」
ぱらぱらと、英語の教科書を捲っているといつもと同じような修弥の声に、ゆっくりと振り返った。
「今日映画いかねえ?」
今日をどうしたらいいのか――その答えはまだ分からないけれど、取りあえず、一緒にいる方が避ける方法があるかもしれない。
行きたくない。
もうあんな光景を見たくない。
だけど、もしも行かなかったら――…
昨日の光景が蘇る。もう見たくもない光景。
だけどもしも行かなくて、昨日と同じようになった場合…