pure love
何回かかくれんぼをしたあとに次の目的地へ向かう。

「あー愛海待ち!」葵が突然わたしの腕を掴む。

「え!?何?!」
「写真撮ったるわ。いまやったらあの二人先に行ったし恥ずかしないやろ?」

「いいの?」
「ええよ!!思いでやんか。なあ?亮太もええやろ?」葵はわたしの鞄からカメラを取って構える動作をする。

「うん、いいよ」亮太は否定せず二人で段差に座り込む。そのときの二人にはまだ少し距離があったね。

写真を撮ったあと三人で孟ダッシュして二人に追い付いた。

「お前ら何しててん?」大西が尋ねてくる。
「写真撮ってた」
「ふーん。ラブラブでいいですのー」大西は嫌味を言うようにつぶやく。

「大西も彼女作ったら?」亮太が笑いながら言う。
「亮太ーー!!」ゲラゲラ笑ながらみんなで先を進む。

「愛海ーーー」信号を挟んだ向こうの道で夏が大きな声でわたしの名前を呼ぶ。
「夏ーーー」わたしも夏の名前を叫んで大きく手を振る。信号が変わり夏が走ってくる。

「昼の集合地点行く途中?」
「うん、そーやで!!」
「一緒に行こや」私たちのグループと夏のグループが合体して歩き出す。

「どや?亮太とおんなじグループ!」ニヤニヤしながら話しかける夏。

「楽しいよ!なぁ、亮太?」わたしは隣に居る亮太に話を振る。
「うん、楽しいよ。ええやろ?うらやましいやろ~?」

「お前に言われたらめっちゃムカつくねん。」夏はそう言いながら亮太の背中をばしっと叩く。

「いって!ほんま坂見暴力女やわー」もちろんこのあとも言い合いは続きました(笑)
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