pure love
「おい、お前ら、もっと喋れよ!せっかくのデートなんやから。あ、恥ずかしいんか?よし!坂見は誰が好きなん?」
「「えっ?」」夏と私の声が重なりあった。
「亮太急に何聞いてん?!」
「俺が話し振ってあげてるねん」どんなフォローをしてくれるのかと思ったら好きなものは?って直球すぎる。全くフォローになってない。彼に期待した私がバカでした。
「なんでこんなとこで暴露せなあかんねん」私は、もう亮太には期待せずに自分で話を振ろうと思った。
「お前が好きな「なあなあ、今度ハリーポッターするよな!めっちゃ見にいきたいんやけど!」亮太素直すぎるから何を言い出すかわからない。
あの言葉の続きはたぶん、“お前が好きなんは博也やろ?付き合えよ!”やったに違いない。それができないから今、こうやってダブルデートをしているのに。
彼はやっぱり馬鹿でした笑
「あ、やるやる!夏も見たいと思ってた!」
「やんな!谷口は見たりするん?」
「うん、するで!ハリーポッターおもしろいもんな」やっと谷口が話に入ってくれたから一安心した。
「俺も見たい!」亮太はさっき自分が何を言ったか覚えていないようにハリーポッターの話に入り込んでくる。
「ま、いっか」私はそう独り言をはいて話に入り込んだ。