pure love
「愛海っ!」智絵が一緒に走ってきてくれる。ちょっとばかり走って立ち止る。

「大丈夫?」智絵が私の顔を覗き込む。私は泣いていた。
「嬉しいよ。ああやって一緒に帰ってくれようとするの。でも、やっぱり友達は犠牲にせんといてほしい。もう、みんなちょっと余計なこと言った」

「んー確かに。高橋は優しいしな、無理とか絶対言わへんもんな。」

亮太、逃げてきてごめん。あれが私の精一杯の気遣いだったの。でも逃げてきてしまったとき、やってしいまったとかなり悔やんだ。亮太が怒ったのではないかと。

「ごめん、智絵。愛海、もう戻られへんわ。今日はもうこのまま帰るわ。」
「うん、大丈夫。うち、言っとくから!大丈夫!絶対、高橋怒ったりしてないと思うで?」

「ありがとう、智絵。」私は智絵とバイバイしてからも涙が止まらず家路へ向かった。

そして最悪なことにその日は金曜日。テスト前で部活もないから二日も会えない。余計辛かったのを覚えている。
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