pure love

しばらく休憩して、私たちは部活へ向かった。みんなで話しながら玄関へ向かっていると原田が走ってきた。

「丁度よかった。ちょ、誰か先生呼んできて！」焦った表情で原田は話してくる。

「どうしたん？」夏が代表して原田に聞く。
「亮太とおにごしてて、玄関でじゃれてたら、靴箱の出っ張りんとこに頭うって、今亮太気、失ってんねん！」

「はあ？！それ、はよ言えや！」琴音が怒鳴り、鞄を置いて走ってくれた。私たちは原田に続いて亮太のとこに走った。

「ちょ、りょ、亮太！！」

「あんま揺らさんほうがいいで！！」智絵が顔を曇らせながら言う。

私は顔が真っ青になっていたと思う。怖くなって震えだす体を夏が支えてくれた。

「ちょ、亮太！はよ、起きって！」みんなで声をかけると亮太は顔を顰めた。