pure love
「高橋、大丈夫か?気、とりもどしたか?先生の指、今、何本立ってる?」
「んー三本」

「これは?」
「五本。」

「ん。とりあえず意識は大丈夫そうですね。」体育の林先生がもう一人の先生に言う。

「そうですね。とりあえず運びましょうか。」先生は担架を広げる。遅れて、保健の先生がやってくる。

「意識は大丈夫そうです。」林先生は保健の先生に伝える。
保健の先生は安堵した様子で「とりあえず保健室まで運びましょう。」と伝える。

「高橋、そのままな?一回、病院行くからとりあえず先に保健室行くな。」
「はい、すみません。」

「わ、私も行きます!」私は咄嗟に言ってしまった。

「いや、市川は部活があるだろ。お前の彼氏か?」私は頷いた。

「心配だろうが、連れていけない。お前は部活に行け。」

私は納得しないような顔でいると、「心配かけたくないから、愛海は部活行って?俺、大丈夫やから」そう言っていつもの笑顔を見せる亮太。

「十分、お前は心配かけてるがな。」そう言って林先生はくすっと笑う。

「じゃあ、動くぞ。」

「愛海、また明日な?部活頑張れ。ほんで、気つけて帰れよ」亮太、今くらい自分のことだけ考えてよ。今は私の心配なんか必要ないよ。
< 139 / 150 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop