pure love
六時間目の授業が終わってすぐ亮太が私のところにやってきた。亮太は私の前の席に座った。
「どうしたん?」亮太に尋ねた。
「あのさー俺に鶴折ってくれへん?」
「鶴?鶴やったらいっぱいあるけど?」
そう言いながら紙袋の中から一羽とりだして亮太に見せた。
「じゃなくて!!それ、市川が折ったか分からんやん!!」
「えっ?」
「市川が折った鶴がほしい。」
時間が止まった気がした。なぜかワクワクしている自分がいた。
「う、うん。分かった。今から作るわ!!」
「本間に?ありがとう」
そう言って亮太は去って行った。
すぐに折り紙で鶴を折った。ドキドキしながら…そして亮太を思いながら。