pure love
琴音が出ていったのを確認して亮太がいつも通りの優しい顔をして私のとこに近寄ってきた。
その亮太の顔を見て妙に安心した。
「ごめん…潰されてしもた。ごめんな…あいつも別に悪気ないと思う。あいつの性格やから…怒ってる?」
鶴を潰したのが私と一緒の部活の琴音だったから亮太なりの気遣いをしたのだろう。
私も琴音のああいうところはよく分かってる。
「怒ってないよ。亮太、もう一つ作ろか?」笑顔で亮太に尋ねた。
「えっ?!本間に?」
「本間にっ!後で渡すね」
そう言って自分の席に戻った。私はすごく嬉しかった。私の作った鶴を大事にしてくれる。
鶴を作っている私の手が止まった。