pure love

正義感が強くて弱いものを守ろうとするのが亮太だった。
誰にでも優しく、いつも笑顔で亮太を嫌う理由なんてどうやっても見つからなかった。

亮太のそういう優しいところを私は好きになったのだと思う。

だからこそ、人から見て小さなことでもいつも真っ正面から向き合っていた。

でもね、亮太の悲しい顔、怒ってる顔は嫌だったの。
どんな時でも優しいくしゃっとした顔が見たかったの。

「愛海っ」
「どうしたん?」茉里が息を切らして帰ってきた。

「どうしよ!!亮太絶対茉里たちのこと許してくれへん」
「何で?」

「亮太に謝ったら『謝ったら許してくれると思ってん!?そんな世の中うまくいくと思ってる?俺はただ見守ってほしかった。いちいちあんなんやってたらキリないやろ』って言われた」
「うん、分かった。ちょっと愛海話してくるわ」茉里は頷き、私は亮太を探しにいった。

亮太は音楽室の近くで他のクラスの男子と遊んでいた。

「亮太っ」亮太はすぐに気付いてくれて私の方に来てくれた。

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