pure love

epi5


「今日は、市内めぐりのグループを決めます。」担任の先生が黒板に概要を書きながら説明しはじめる。
教室はざわめいている。その中の一人が私でもあって。

葵とは運がよく二回連続、席が前後だった。
「愛海、もちうちら同じグループやんな」葵は楽しそうに前から話しかけてくる。
「もちろんやし!!」そんなことを話ながら葵と笑いあった。

「今回は交流を深めるという意味でも、男女6人くらいのグループになってもらいます。まず、男女別々でグループを決めてください。男女のグループはくじ引きで決めます。」先生は教卓の上で何かを書いている。きっとさっき言っていたくじ引きのことだろう。

「市川っ」亮太が私たちの席にやってきた。私は亮太の方に体を向けて彼に耳を傾けた。

「同じグループ…なれたらいいな」私の大好きな笑顔で微笑んでくる亮太。
「本間やな。でも、くじ引きやもんな…なれるかな?」
「なれるって!!だって亮太と愛海はもう固い絆で結ばれてるやろ」ニヤニヤしながら私たちをからかう葵。

「おう!!絶対、同じグループやで」そう言って友達のところに戻っていった。

「本間に亮太は愛海が好きやな。こんなラブラブなると思わんかったわ」

私も思てなかった。
こんなに大好きになるなんて。
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