pure love
「亮太怪我してるやん!!」
次の日、亮太はもちろんクラスの話題となった。そしてそのまま私もいじられた。

お昼休憩のとき。
「さ、葵!!食べよ!!」私は葵と机を引っ付けてお弁当の準備を始めた。
「亮太怪我したんやな。大丈夫なん??」葵は心配そうに私に尋ねてきた。

「大丈夫みたいやけど。アホやな!!素手でボール受け取ったらしいわ」私は苦笑いで葵に話しかけた。
「え!!素手で!!亮太らしい…」葵も苦笑い。

「亮太ごはん食べられへんやん!!」安川の声が教室に響く。もちろんその声に私たちも反応して振り向く。亮太は左利きで怪我をしているのは左手。

「あ、ええこと思い付いた。」ニヤリとしながら私の方に顔を向ける安川。やば…普通に変な予感がするんですが。私は一瞬で顔を反らした。

「市川~」ほら……嫌な予感が当たったような気がする。
「はい…」私は罰の悪そうな顔をしながら安川に返事をする。

「市川!!亮太怪我してるで!!」
「うん、知ってる。」
「なんかほら!!やったらなあかんことあるんちゃん?」
「ん…?何が?」私は何も知りませんというような顔をしてやる。

「食べさせてあげやー」安川…余計なことを…。
「はぁ!?なんっ「うん!!市川食べさせて~」亮太はそれに乗ったというように笑顔を見せながら私の言葉を遮った。

「え…まじで…」私は葵に助けを求めるように葵の顔を見た。
「愛海、食べさせてあげたら?これも彼女の特権やで~」葵までニヤニヤしながら話してくる。
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