人間になりたかった向日葵
「あ、向日葵で思い出したんだけどさ、俺向日葵育ててるんだ♪
それね、すごいお気に入りなんだ」
向日葵ちゃんは笑顔で聞いてくれてる。
嬉しいな、可愛いな(笑)
「こっちこっち!」
俺は向日葵ちゃんに向日葵を見せたくって、ベランダに案内した。
…だけど
「あれっ!? ないっ!」
何故か向日葵がない。
なんで? なんで?
すごく焦った。
大切な向日葵なのに…。
「…おかしいな、写真あるからそれ見せてあげるよ」
どうしても見せたかった。
だから、俺はケータイの写メを見せた。
「これこれ!」
向日葵ちゃんはまじまじ見てる(笑)
「昔ね、俺ってばあちゃんっ子だったんだ。
ばあちゃんは向日葵がすごく好きでさ。
そのばあちゃんが、去年急に具合悪くなって。
俺が入院中のばあちゃんに会いに行ったら、向日葵の種渡されてさ。
んで、4ヶ月ぐらい前にばあちゃん亡くなって、向日葵の種を埋めて、今に至る!…ってわけ(笑)」