不器用な僕等の唄を
そして、少し言い過ぎたかもしれない。
誠がこっちの学校に行っているのだって、あたしは止めなかった。
携帯を取り出す。
電車が来るまで。
そう決めて、誠に電話する。
もう彼女と一緒にいるかもしれない。
なんて考えた矢先、
『茉莉?』
“もしもし”より先に聞こえた声。
こうやって機械を通して聞くと、日常に戻ったみたい。
でも違う。
あたし達は、変わらないといけないから。
「さっきはごめんね。」
『俺も…ごめん。感情に任せて言い過ぎた。』
どうやらあたしと同じみたい。