不器用な僕等の唄を

…確かに。

初対面のはずなのに、トーコさんは話しかけてきたし。

ってゆーか、トーコさんて知らない相手にもこんな偉そうに?

「15分くらいでヒロナが来る。」

ヒロナさんが…。

そう言ったきり黙ってしまったトーコさん。

なんだか、こうしてトーコさんと話すのは現実味に欠ける。

あんなにみんなから憧れられて、尊敬されて、美人なトーコさん。

社交的で、本当に顔が広いヒロナさん。

「…そういえば、どこ行ってたの?」

耳についているブラックローズのピアスがキラリと光る。



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