不器用な僕等の唄を
興味ないんだろうな。
トーコさんは、人の恋愛になんて。
「出逢いが偶然なら、別れは必然。」
透き通る声。
「…え?」
分からないフリをしてみた。
「出逢った限り、いつかは絶対別れないといけない。恋人も友達も家族も赤の他人とも。」
ガードレールに腰掛けたトーコさんは、車の流れを見ている。
近くから、太鼓の音が響く。
「出逢いも別れも運命の内、なんて言われたら悲しいじゃない?」
涙が、零れた。
なんでだろう。
どうして、こんなに。
こんなに…
「トーコさんて…もっと…もっと冷たい人だと思ってました。」