不器用な僕等の唄を
「あたしが優しいなんていつ言ったの?」
「でも、結構優しい人です。」
眉をピクリと動かして、反応する。
…まぁ、今初めて喋った相手にそんなことを言われたくないか。
「遅い。」
え?と本日何回目かの質問をして顔をあげれば、トーコさんはあたしを見越して遠くを見ていた。
「うわ…チョー混んでるね。」
遅く登場を悪びれもせず人の行き来を見るヒロナさんが現れる。
「流石トーコ。駅に行けば見つかるって当たったねぇ?」
「お褒めの言葉どうもありがとう。桔梗等は?」