不器用な僕等の唄を
野田妃芽(ノダヒメ)は、矢祇の彼女。
あたしの周りにいる、唯一の優等生。
高橋や青は頭が悪いからね。
そして、あたしと透子の友達。
「違う違う、俺実行委員なんだわ。修学旅行の。」
矢祇はそう言うと、一番奥のソファーに座りあたしの顔を見た。
「何よ?」
「…老けた?」
「殺すよ。」
「ウソウソ。」
ケラケラ笑うこいつは、本当に掴めない。
“腐れ縁”で中学からここまで透子と矢祇と揃ってきた。
「え!?修学旅行って?いつですか?」
驚いた声は、轟から発せられたもの。