不器用な僕等の唄を
Ⅱ
修学旅行当日は夏の暑さを残しているくらい、晴れていた。
秋晴れってとこ?
朝早く集まった二年は、大体は興奮している奴ばかりで、眠そうにしてるのは、
「透子ちゃん?もう新幹線乗るって。」
矢祇の彼女、野田ちゃんは柱に寄りかかりながら船を漕ぐ透子に言う。
あたし、透子、野田ちゃん、矢祇、栄でいつものメンバーが揃っていた。
「立って寝るなんて相変わらず器用だな。」
矢祇が肩を竦めれば、野田ちゃんは苦笑して透子の肩を叩く。
「寝てる奴は置いてっちゃえば良いよ。」
あたしもそう言いながら新幹線に乗り込んだ。