不器用な僕等の唄を




修学旅行当日は夏の暑さを残しているくらい、晴れていた。

秋晴れってとこ?

朝早く集まった二年は、大体は興奮している奴ばかりで、眠そうにしてるのは、

「透子ちゃん?もう新幹線乗るって。」

矢祇の彼女、野田ちゃんは柱に寄りかかりながら船を漕ぐ透子に言う。

あたし、透子、野田ちゃん、矢祇、栄でいつものメンバーが揃っていた。

「立って寝るなんて相変わらず器用だな。」

矢祇が肩を竦めれば、野田ちゃんは苦笑して透子の肩を叩く。

「寝てる奴は置いてっちゃえば良いよ。」

あたしもそう言いながら新幹線に乗り込んだ。



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