不器用な僕等の唄を

うふふ、と意味ありげに笑う野田ちゃん。

「秘密。」

「えーっ。」

矢祇の歴代の彼女は、あっちの女が多かった。

派手な服を着て、派手なメイクをして。
確かに美人だったけど、自惚れていた。

矢祇の隣に立つことで、『虎の威を借る狐』になっていく。

…かと思えば、急にクラスメートの優等生を連れる。

遊びだと思っていた。

「次そんなこと言ったら透子が何と言おうとぶっ殺す。」

「おーおー怖いこと。」

笑って流したけど、目は笑ってない。

あの猫被りは昔から透子基準なところがあった。



< 144 / 310 >

この作品をシェア

pagetop