不器用な僕等の唄を
うふふ、と意味ありげに笑う野田ちゃん。
「秘密。」
「えーっ。」
矢祇の歴代の彼女は、あっちの女が多かった。
派手な服を着て、派手なメイクをして。
確かに美人だったけど、自惚れていた。
矢祇の隣に立つことで、『虎の威を借る狐』になっていく。
…かと思えば、急にクラスメートの優等生を連れる。
遊びだと思っていた。
「次そんなこと言ったら透子が何と言おうとぶっ殺す。」
「おーおー怖いこと。」
笑って流したけど、目は笑ってない。
あの猫被りは昔から透子基準なところがあった。