不器用な僕等の唄を


「うわ、また甘いの買ってる。」

あたしが言うと、透子は顔をしかめる。
手に持っているのは温かい紅茶。

「甘いものに慣れてんの。甘いものってお腹が膨らむっていうでしょう?御嬢様のあんたと違って貧乏性なの。」

透かし笑うような顔で、こっちを見た。

御嬢様って…。

「殴りマスヨ?」

その言葉は御法度。
透子にとって、音宮の悪口に値するくらい。

「やれるモノナラ。」

ここの階の広間のような場所のソファーに座る。

テレビでは、月9のドラマがやっていた。

「次言ってみなよ。歯一本折ってあげる。」



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