不器用な僕等の唄を

眉を寄せて言えば、透子は目を瞑って肩を竦めた。

透子なりに謝っているらしい。

「…すごーい、修羅場だね。」

あたし達のことを言っているのかと思ったけど、テレビの内容だったらしい野田ちゃん。

テレビでは、女と女が男を取り合っている。

阿呆だ。男なんてこの世に人口の半分いるのに。

ふっと笑って、あたしは部屋に戻る。
その後に野田ちゃんも透子も着いてきたみたいだった。

「…透子ちゃん!?」

驚く野田ちゃんの声に、後ろを振り向けば透子が備え付けの冷蔵庫に缶紅茶を入れている。



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