不器用な僕等の唄を
呻き声の後に続くのは、小さい悲鳴。
「と…透子ちゃん?紘波?」
野田ちゃんが狼狽えるような姿が目に浮かぶ。
あたしが倒れたその先は置かれてあった布団の上で、透子が配慮してくれたのかと思ったけど。
有り得ない。
透子は左利きだから、たまたま運良くこっちに飛んだだけだった。
「ナンバー1?そうね、あの女顔だけは途轍もなく綺麗だったから。」
クスクスと笑う透子。
…ついにぶっ壊れた?
「ミエだの阿婆擦れだの知らないけど。あたしには一切関係ないけどね?」
そして、寝転がっているこの体制をひどく後悔した。