不器用な僕等の唄を

長く一緒にいる。

それなら、未来も含まれるんだろうか?

「轟のお人好しには口を出すし。桔梗の家出には迎えに行ってあげるし。」

情報通の耳にはなんでも入ってくる。

驚くように、口を開ける透子。

「人混みは苦手なくせに香坂を探すのには手伝うし。人に甘すぎる。」

「…うっせーな。」

口が悪い。

透子は立ち上がり、欠伸をする。

「ごめん。」

謝っておく。

喧嘩を売られたといえ、先に手を出したのはあたし。

「謝るくらいなら、やらないでくれない?」

「親しき仲にも礼儀ありだから。」



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