不器用な僕等の唄を

敷き布団と掛け布団の中に潜り込んだあたしは、枕を透子の方に投げる。

「一試合やってから眠りたいってわけデスカ?」

「滅相もございまセン。」

ひらりとかわした透子はあたしの方に枕を投げつける。

「もう電気消すよー?」

真ん中の野田ちゃんは、電気の紐を引っ張って宣言する。

静かにしたら、外から鈴虫の鳴く音が聞こえた。

来年のあたしは何をしてるんだろう?

勉強ばかりしてるかもしれない。
夜、街に出るのも止めるかも。

きっと、バンドは引退してる。

そうしたら、轟や高橋達は寂しがるかな。



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