不器用な僕等の唄を

部長のその言葉で、打ち合わせは終わった。

帰り際に音宮先輩に謝っていこうか迷ったけど、そんな迷いもすぐに消える。

偉そうに腕を組んで、会長とヤギさんの間を歩く音宮先輩の姿を見て、身も心も竦んだ。

…そういえば、今日、青来なかったなぁ。

「轟、最後に出るんなら消灯と戸締まりのチェックよろしく。」

高橋くんに言われて、私は最後に音楽室を出る。

ついに、お人好し過ぎる私に愛想を尽かしてしまったのかもしれない。

理由もなく溜め息が出てきて、眉を顰める。



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