不器用な僕等の唄を
それはもう一学期の出来事だけど。
忘れられない、青春の1ページ…になった。
「失礼します。」
その時の所為でか、轟さんには音楽室をノックして入るようになってしまった。
ごくたまに来るだけの音楽室は居心地が良い。
透子ちゃんが寝入ってしまうのも、分かる気がする。
「…おい、始める。」
「んあ。」
部長の席で堂々と寝ている透子ちゃんは、雪比良兄に起こされる。
「おら、矢祇も。」
私の隣で動かなかった流星にも言う。
紘波はいない。
来るのは稀らしい。
今日は紘波以外はみんな集まっていて、勢揃い。