不器用な僕等の唄を
雪比良弟も来ていて、私達は観客役になる。
修学旅行で紘波と透子ちゃんが喧嘩した傷も治ったと思えば。
すぐに試験はあるし、終わるとすぐに文化祭。
「…先輩って、切ない恋愛したことあるんですかね?」
雪比良弟の呟く声が届く。
「先輩?」
「美人毒舌先輩。」
それを聞けば、誰のことだか容易に分かった。
キーボードを叩く透子ちゃんに目がいく。
透子ちゃんが恋?
「あんまり想像出来ないね。てゆーか、そういう話すら聞いた事ない。」
「でもこの曲、結構切ないラブソングですよね。」