不器用な僕等の唄を

でも顔は結構整っていたから、女子からの視線は『好奇心』からかもしれない。

彼と同じ教室で彼の後ろの席だった私。

明るい茶色い髪を後ろからずっと眺めていた。

「…あっ。」

そんなことをしていた所為か、消しゴムを前に落としてしまった。

それに気付いた彼は、拾ってくれる。

「…名前、なんて読むの。」

語尾が上がってなくて、質問に聞こえなかった。

それでも、彼が話したことによって周りからの視線がこっちに集まる。

「…え?」

「ノダ?」

「うん、そう、野田。」

「違う、だから名前の方。」



< 177 / 310 >

この作品をシェア

pagetop