不器用な僕等の唄を
でも顔は結構整っていたから、女子からの視線は『好奇心』からかもしれない。
彼と同じ教室で彼の後ろの席だった私。
明るい茶色い髪を後ろからずっと眺めていた。
「…あっ。」
そんなことをしていた所為か、消しゴムを前に落としてしまった。
それに気付いた彼は、拾ってくれる。
「…名前、なんて読むの。」
語尾が上がってなくて、質問に聞こえなかった。
それでも、彼が話したことによって周りからの視線がこっちに集まる。
「…え?」
「ノダ?」
「うん、そう、野田。」
「違う、だから名前の方。」