不器用な僕等の唄を

少し眉を寄せていたので慌てた。
怒ったら怖そう。

「妃芽。」

「ヒメ?これでヒメって読むんだ。」

当て字だから、読める人は結構いる。

…それは兎も角。

消しゴムにフルネームで書かなきゃ良かった!

どうなるの、私の高校生活!?

と、私は受かるかどうかも分からない受験の日からこれからのことを考えていた。



色々考えているうちに、受かっていて。

彼の姿を少し探したけど見えないから、きっと不合格だったのだろう、と思った。

一応ここは街の上位高校に入っている。

入学式の日も、彼を見なくてやっぱりなと感じていた。



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