不器用な僕等の唄を




シンデレラって。
学芸会!?
演劇部!?

みんなの空気も同じようなものだけど、脚本を書いたらしい先生はやる気充分。

「ちょっと、人物の役が出ないってどういうこと!?」

吉舎羅(キサラ)先生─通称キャサリンは、軽いヒステリーを起こす。

殆ど決まっている役は、木とかネズミとか、馬とか…。

王子もシンデレラも意地悪なお姉様役も。

「つーか、そんなにシンデレラやりたいんなら、キャサリンがやりゃ良くない?」

後ろの席の紘波は、だるそうに言う。

紘波の左斜め後ろの透子ちゃんなんて、さっきからずっと突っ伏したままで。



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