不器用な僕等の唄を

紘波の隣の雪比良は、横を向いて窓に寄りかかりながら欠伸をする。

流星は…遅刻らしく、私の左隣は空いたまま。

「しょうがない!くじ引きで決めるからね!」

「はぁ?」

紘波の声を先頭に、キャサリンの提案へ不満の声があがる。

「文句無し!男女差別も無し!例えシンデレラと王子が男同士でもね!」

シンデレラ…男…。

うちのクラスの文化祭は今回終わった…。

「気持ち悪。野田ちゃん想像できる?男同士のシンデレラ。」

「ま…まさか。」

首を振る。

かと言って、紘波や透子ちゃんみたいにやる気無さそうな人に当たっても…。



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