不器用な僕等の唄を
紘波は、いらないアドリブを入れて王子を困らせそうだし。
透子ちゃんは、ガラスの靴を持ってきた王子に「はぁ?」と睨んでしまいそうだし。
「…適役がいない。」
私は雪比良を見た。
…雪比良が王子だったら女子は喜ぶのでは…。
「野田ちゃん、くじ。」
机に頬杖をつく雪比良を横目に、私は回ってきたくじを引く。
流星が羨ましい!
そう考えながら引いた紙には、『シ』と言う文字。
「…いじめ?」
私のくじを見ながら呟く紘波。
シって死のシ!?
「シンデレラのシじゃないの?」