不器用な僕等の唄を




「待った?」

「デートのお決まりの台詞だね。」

「デートだから。」

クスクスと笑顔を零す流星。

夕方の部の時間だったからもうすぐ暗くなる。

「妃芽、どこで夕飯にする?」

「ファミレスかな?」

手を繋いで、隣に寄り添う流星の肩の温かさは好き。

ファミレスに入ると、外の寒さから包むように暖房の空気が頬に触れる。

私はグラタンを流星はハンバーグセットを頼んだ。

「カプチーノ?」

頷く。

流星はいつも私の分のカプチーノも取ってきてくれる。

…本当に優しいと思う。



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