不器用な僕等の唄を

受験の時見た流星も。入学してからの流星も。

私はどちらを見ても、好きになったはず。

猫被りだと私は言ったけど、誰だって猫被りはする。

私もその中の一人なのだから。

席を離れた流星の背中を見る。

「あれ!?もしかして、ヤギの連れ?」

急に聞こえる黄色い声に目を見開いてしまった。

「あ、本当だ。ヒメちゃんでしょ?」

髪の毛が…ミルクティーのような色。

透子ちゃんは色素が薄くて髪色が茶色いけど、この女の子達は染めた色。

「…え?」

反応が遅れて、声を出すと「なになに、可愛いんだけど!」と言われる。



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