不器用な僕等の唄を

だって、席を離れる時にとても傷ついた顔をしていた。

修学旅行で紘波と喧嘩した時とは違う怒り方。

私は透子ちゃんを傷つけてしまった。

大切な…友達を。

涙が零れる。

ポタポタと零れる涙を紘波は、ハンカチで拭ってくれる。

結局、私は何をしたかったんだろう?









紘波の提案で保健室に行ってジャージを借りた。

何も聞かない紘波は、いつもと比べものにならないくらい黙っている。

「…透子ちゃん動きが早かった…。」

心の呟きが声に出て、それを笑われた。



< 209 / 310 >

この作品をシェア

pagetop