不器用な僕等の唄を
だって、席を離れる時にとても傷ついた顔をしていた。
修学旅行で紘波と喧嘩した時とは違う怒り方。
私は透子ちゃんを傷つけてしまった。
大切な…友達を。
涙が零れる。
ポタポタと零れる涙を紘波は、ハンカチで拭ってくれる。
結局、私は何をしたかったんだろう?
紘波の提案で保健室に行ってジャージを借りた。
何も聞かない紘波は、いつもと比べものにならないくらい黙っている。
「…透子ちゃん動きが早かった…。」
心の呟きが声に出て、それを笑われた。