不器用な僕等の唄を

私の横に腰を下ろす紘波。

「本当にさー、体育の授業出れるんじゃね?ってくらい、運動神経は良いと思うよね。」

「紘波と喧嘩してたもんね。」

もう文化祭の用意が始まっているのか、保健室の周りは静か。

暖房のついている保健室は教室と違って暖かくて良い。

「…のーだーちゃん。何であんな事言ったの?」

アッサリと紘波は聞いてきた。

もうそのアッサリさに笑いすらこみ上げてくる。

「付き合っていたのかどうかは、分からないけど…。流星が透子ちゃんに“マジ惚れ”してたんだって。」



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