不器用な僕等の唄を

そっかそっか、と普通に戻るのを見て安心した。

「…そういえば、透子ちゃんと流星は小さい頃から一緒なの?」

腐れ縁というくらいだから、そう思う。

「小学校の時から。まぁ初めて話したのは中学の時。」

「どこに憧れたの?」

さっきの話は流れたと思っていたのか、その質問に詰まる流星。

階段を一段先を下って、私に手を差し伸べる。

私はシンデレラ役の時にこういうシーンがあったと思ってその手に手を伸ばす。

しっかり繋がれた手からは温かさが伝わった。

「…絶対ひかない?」

流星は窺うように言う。



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