不器用な僕等の唄を
“キミがアイツの隣で笑っているとさ 無意識に涙が零れるんだ”
──それはきっと。
透子ちゃんが私に気付いて大きく瞳を見開く。
そして、無理に笑顔をつくった。
“零れた涙に気付かないフリして 笑った”
「ごめん、教室に携帯忘れたから。先に行って。」
──今の透子ちゃん自身のこと。
返事をする間もなく、身を翻して行ってしまう。
「野田ちゃん?あれ、透子は?」
後ろから紘波の声がしたけど、黙って窓の外からキャンドルの周りで踊っている人達を見た。
「流星でもいんの?あ、栄じゃん。」