不器用な僕等の唄を

あと、腕組むところ、とか。

「…青、に。怒鳴っちゃいました。」

なんで先輩にこんな事を話しているんだろう。
先輩に言っても…

「御勝手にどうぞ。」

そうやって、突き放されるだけなのに。

「そうします。」

「怒鳴って、『お人好し』はまだ続けるの?」

あ、腕を組んだ。

私はソファーに座ったまま、視線を逸らす。

視線の先にぶつかったのは、マイクと楽譜。



『轟って、声量すげぇよな。』

放課後の教室で、私が日直で残っているとサッカー部のはずの雪比良青がいた。

『なに?』



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