不器用な僕等の唄を
前に座った雪比良は、曲順を考え始める。
あたしのかく失恋歌とか切ない歌はウケが良いけど、いい加減違うのをかかないと飽きられる。
…だからと言って。
「早くしろなんて言ってないだろ。」
「言ってないけど、まだ出来ない。」
「ゆっくり考えてくれ。」
…出来た恋愛の曲なんて書けない。
なんでこんな馬鹿なことしてるのか分からない。
あたしは雪比良が好き。
矢祇や青みたいに友情にではなくて、恋愛感情で。
でも雪比良には相手がいるらしい。
文化祭の時も一緒に並んでいるのを見た。