不器用な僕等の唄を

最初は普通に見て居られたけど回数を重ねるごとに胸が抉られるほど痛くなる。

こんな高校来なくたって良いのに。

でも、毎日雪比良と一緒になれる音楽室に逃げ込むのは止められない。

癖になってるのかもしれない。

「透子ってさぁ?ドーベルマンが好きなんでしょ?」

…は?

「あたしは犬嫌いだって言わなかった?」

「いや、犬種じゃなくて。」

紘波はお菓子の袋を開ける。

金持ちな紘波は、自分の部屋の他に離れみたいのを持っていてあたし達はダーツバー『CLOWN』以外でそこによく集まる。


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