不器用な僕等の唄を

集まるといっても、あたしと紘波の2人くらいしかいない。たまに、矢祇が入るくらいで。

あたしはペットボトルを抱えて眉を寄せる。

「じゃあ何、魚にそんな種類がいるとでも?」

コップに入ったミルクティーを口に含む。

「人だよ人。魚じゃなくて栄のこと。」

噴きだすかと思った。

無理矢理止めた所為で、変な方にミルクティーがいってしまった。

むせるあたしの背中を紘波がさする。

「ちょ、大丈夫?」

「死んだら呪ってやる。」

「困るんだけど!?」

おさまって、深呼吸をする。

「てか、その反応を見る限り真実っぽい。」



< 234 / 310 >

この作品をシェア

pagetop