不器用な僕等の唄を

舌打ちをする。

「ブラックコンビになりそう。」

「…なれるわけが、ないいから。」

無意識に声が沈む。

今まで自分に言い聞かせた言葉なのに。








「今日はご飯いる?」

リビングのソファーに体育座りをして、ゴールデンのバラエティーを見るあたしに葛(カズラ)さんは聞く。

「いる。」

繁華街には最近出ない。

3年になったから、というわけじゃないけど。

葛さんは少し嬉しそうな顔をして「はいはい~」とキッチンに帰る。

葛さんは良い人。

前の女とは大違い。



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