不器用な僕等の唄を

あの人に見る目があるんだか無いんだか分からないけど、あの女を選んだのは同情か何かであって欲しいと願う。

あたしはまだ、あの女を憎んでる。

あの人が仕事で忙しくしてんのに、日中遊びに行って何日も帰って来なかったり、夜中に泥酔して帰って来たり。

…本当は、殺してやろうかとすら考えた。

あたしの殺意に気づいたのか、あの人はすぐに離婚して。

何年かして、「再婚したいと思ってる」と言い出した。

もう母親なんて懲り懲りだったけど、あたしを救ってくれたあの人に何か言う資格すらない。

連れてきた女の人は、あの人より少し年上な葛さんと桔梗。



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