不器用な僕等の唄を
タオルを畳んで置いて、あたしは鞄を持ち上げる。
水分を吸ったのか、いつもより重く感じる。
面倒くさい。
全てが億劫に感じる。
吐き気を覚える直前、あたしは扉を閉めた。
雨はまだ止まない。
睫や前髪から滴る雫が鬱陶しい。
ヒックと嗚咽が漏れたのに泣いているのだと気付いた。
「おかえり、お姉ちゃん。今日練習無かったんじゃ…、」
何も考えずにリビングに入ると、桔梗が驚いた顔をする。
「折り畳み傘持ってなかったの?」
「…そう。」
「早くお風呂入った方が良いよ?」