不器用な僕等の唄を

それを睨みあげると、

「そうやって話題をすり替えるの得意ですよね。」

「どうもありがと。もう邪魔。」

青の隣をすり抜けて、音楽室に向かう。

いつも青はそうやって人の心配をするから。

轟と同じようなもんだと思う。








「座んねぇのか?」

ソファーの背もたれに寄りかかり、天井を見上げると視界に雪比良が入る。

「…座んない。」

何故青が聞いてきて、雪比良が聞いてこないんだろうか。

「あっそ。」

いつもこいつは冷たい。

冷酷で冷たくて、不機嫌で。

あたしと似ている。



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