不器用な僕等の唄を
首を横に振る。
この学校の何処に第3音楽室があるのかも分からなかった。
『考えといて。今、そのバンドの部長と作詞家の人からボーカル探してこいって言われてんだ。』
『知り合いの人?』
『兄貴と美人毒舌先輩。』
何ソレ、と少し笑う。
青も苦笑いをしていた。
…あぁ、そうだった。
フラオブに勧誘してくれたのは、青だったんだ。
いつだって、青は私に居場所を教えてくれた。
「…自己満足でも良かったんです。
ただ、私は人に優しくして優しくされたかったんです。」
単純すぎた。
単純すぎて、見えなくなってただけ。